4年と9ヶ月勤めた会社を辞めて、海外を旅することにした。 意思決定に至った理由は幾つかあるが、大きな理由の一つは今このタイミングでなければ実行できないと思ったからだ。
現在私は結婚しており、この先家族が増えてくるとまとまった時間を取って海外を放浪できるのは早くとも子どもが独立した後になる。50歳を過ぎてから旅に出るのもきっと楽しいが(可能ならそのタイミングでもまた旅に出たい)、30過ぎの今とでは体験できることや体験に対する感じ方が異なってくると思ったので、このタイミングで退職して様々な国や土地を巡ることにした。今このタイミングでなければ実行できないというのは厳密には真ではなくて、(自明ではあるが)今の体力と感性で海外をぶらぶら歩き回れるタイミングが今しかないと言う方が正しい。
旅する期間や、旅した後の仕事については今のところは特に決めていない。最低でも半年程度は放浪したいと思っているが、転職先が決まってしまうとどうしても長期間休むのが難しくなる印象があり、色んな国を巡る時間と自分のキャリアについてゆっくり考える時間が欲しかったので、今回は次の職場を決めずに退職することにした。
キャリアについてもう少し言及すると、正直に言えばここ最近は昔ほど仕事に情熱を持てていないと感じる機会が多くなっていた。直近は新規事業のプロダクトマネージャーを務めていて、それなりに仕事をこなすことは出来ていたかもしれない(と信じたい)が、無我夢中で仕事にのめり込んでいるとはお世辞にも言えなかったと思う。これは職場の問題というよりは完全に私自身の問題で、だからこそ、自分は何に対してなら情熱を持てるのか、今後の自分の人生で何に時間を投じていくべきなのかをじっくり考える時間を持ちたいと思った。これもまた今回の意思決定に至った大きな理由の一つだ。ここ数ヶ月ほどはずっとそんなことを考えていて、そんな折に事業が一つ大きな節目を迎えたので退職に至った。
将来に対する不安がないと言えば嘘になる。先程述べたように次の仕事は決まっておらず、純資産の額は残念ながらアーリーリタイアには程遠い。一方で、慢性的に人手不足が叫ばれているIT業界に身を置いていることもあって、食べていく分のお金を稼ぐくらいであればどうにかなるだろうという打算もある。多少の不安はあれど、得られるであろう経験や楽しさと不安を天秤にかけた結果、少しだけ前者に傾いているように見えたので仕事を辞めて旅に出ることにした。
退職日は本日7月5日なのだが、5月末には最終出社を終えて、6月は東南アジアの国々(シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム)を周っていた。7月は所用で一度日本に帰国しており、今この記事は日本で書いている。 今後は8月にアメリカを、9月以降にヨーロッパとインド(余裕があればアフリカも)を周る予定だが、いつまで周るかはまだ決めておらず、ヨーロッパの周遊予定も Kaggle Days Championship Final 参加のために10月にバルセロナに行くことしか決まっていない。 時間はあるのでこれからゆっくりと旅行の計画を立てていこうと思う。未知の国や土地を訪れるのが、今から楽しみだ。